昔ながらの雰囲気や日本独特の魅力が漂う古民家は、リノベーションして住む方や、カフェなどの店舗として利用する方が増えています。
今回は、札幌で賃貸物件として利用できる古民家がどれくらいあるかや、古民家を見つける方法について紹介します。
古民家の定義や札幌でなかなか見つからない場合の探し方についてもアドバイスするので、ぜひ参考にしてください。
古民家とは?
一般社団法人全国古民家再生協会のウェブサイトを訪れてみると、「古民家」の定義について説明があります。通常、古民家は建築後50年以上が経過した建物とされますが、全国古民家再生協会では「伝統的建造物の住宅」として、昭和25年の建築基準法の制定時に既に存在していた建物を指します。
これは一般社団法人全国古民家再生協会の引用です。
それでは、日本の伝統的建造物にはどのような特徴が見られるでしょうか。
外見に注目すると、瓦葺き屋根、茅葺屋根、草葺き屋根などが挙げられます。建築方法は古くから伝わる木造軸組工法であり、家の中には土間や太い柱があることが特徴です。また、縁側なども日本の伝統的な家の構造に含まれます。
これらの特徴があり、築年数が50年以上経過していれば、一般的に古民家と呼ばれています。
札幌では古民家の賃貸物件を探すのは難しい!?
いざ札幌で古民家を探してみると、上記の条件を大かた満たすお家を探すのは、とても難しいことを実感すると思います。
瓦葺き屋根、茅葺屋根、草葺き屋根が利用されていない
北海道は雪が多く、古民家の特徴である屋根の形態ほとんどありません。
瓦葺き屋根は雪で瓦がずれたり、水分が染み込んで凍結して割れたりする可能性があります。また、茅葺き屋根や草葺き屋根は吸水性が高く、凍結すると屋根自体が傷むことが考えられます。そのため、札幌ではこれらの屋根が利用されることは少なく、現存する古民家の特徴を持つ家は極めて希少です。
縁側がある物件もほとんど存在しない
縁側がある家は梅雨の多い地域でよく見られます。湿気をできるだけ少なくするために、先人たちは開口部を大きくし、家の中の風通しを良くする工夫をしてきました。
しかし、北海道では冬の厳しい寒さに対処するため、開口部を少なくする必要があります。そのため、本州からの移住者が瓦屋根や縁側がある家を建てても、これらが地域に定着することは難しく、縁側がある物件を見つけるのも難しいと言えます。
札幌では古民家の賃貸物件は非常に少ないため、自分の好みに合った古民家を見つけるのは、かなり難しいかもしれません。
札幌にこだわらず、近隣の市町村も視野に入れることも一つの方法です。
北海道ではかつて、瓦が高価で手に入りにくかったという説もあります。そのため、瓦屋根の古民家は特に道南で多く見られました。瓦屋根にこだわりがある方は、札幌だけでなく、函館や小樽周辺の物件も検討してみると良いでしょう。
古民家物件を見つける方法
古民家物件に強い不動産会社に相談する
不動産業界では、他社との差別化を図るために独自の特徴を打ち出しているところが少なくありません。古民家の情報に特化した不動産会社も存在します。
まずは自分の希望に合った物件を得意としている不動産会社を見つけ、その情報をこまめにチェックすることが、理想の物件を見つける第一歩となります。
古民家再生協会の利用
古民家再生協会では、古民家鑑定が推奨されており、ここで見つかる古民家は、有資格者による鑑定が行われたものとなります。上記の不動産会社の情報と同様に、こちらも定期的にチェックすることが良いでしょう。